大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(ネ)724号 判決

原審(第二回)および当審(その一部)における控訴会社代表者尋問の結果によれば、右譲渡決議をなした取締役会については、当時の破産会社の取締役中、長谷川三郎はその一ケ月前頃より辞表を提出して出社していなかったので、同人に対して招集の通知をせず、従って同人一名のみが出席しなかったことが一応認められ、当審における控訴会社代表者尋問中右認定に反する部分は、前記証拠と対比して措信することができない。右認定事実によれば、前記取締役会の招集手続には瑕疵があるものと認められるけれども、右長谷川三郎は、破産会社の取締役として、取締役会においてその権限を行使することは、株主に対する誠実義務のみから要請されているにすぎず、他に公益性等の見地から要請されていることは考えられないところ、同人がすでに辞表を提出して、取締役としての職務をとっていなかった等前認定の事情のもとにおいては、仮りに同人が前記取締役会に出席しても、取締役会の前記決議の結果(前認定のとおり、同人以外の全取締役出席のもとに全員一致で決議された。)になんらの影響がないと考えることも、必しも無理とはいえないから、かかる事情のもとにおいては、前記取締役会の招集手続の瑕疵は、取締役会の決議の効力に影響がないと解するのが相当である。

(石田哲 小林定 野田)

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